2020年度から実施される「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」のイメージ問題が提示されました

12月22日、文部科学省から「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」に関するイメージ例が有識者会議に提示されました。
このテストは、現在の大学入試センター試験に替わり2020年度から実施される予定ですが、今回提示されたのは、新たに導入される記述式問題の「国語」と「数学Ⅰ」のイメージ例です。
「国語」は、複数のグラフをもとに論理を組み立てたり、新聞の記事に大して自分の考えを論述するといったもの。また「数学」は問題解決に必要な情報や条件を抽出・収集し、思考過程を判定するといったもの。いずれも、暗記だけでは通用せず、複合的な問題を自分の考えで解決に導く力、「総合的な思考力や表現力」が求められます。まずは、問題を理解する力を鍛える必要があるでしょう。

有識者会議は、新テストの難易度や実施方式などについて、今年度中に方向性をまとめ、より実際の内容に近い問題例は16年度中に公表される予定です。なお、国語、数学以外の他教科への拡大や長文記述回答の導入は24年度以降の見通しです。

<大学入学希望者学力評価(仮称)>記述式問題イメージ例
▶国語(問題イメージ例1)
次の文章とグラフを読み,後の問いに答えよ。
次に示すのは,警察庁事故統計資料に基づいて作成された交通事故の発生件数,負傷者数,死者数のグラフと,この3つのグラフを見て,交通事故の死者数が他よりも早く,平成2年(1990年)以降減少傾向になっていることについて,4人の高校生が行った話し合いの一部である。
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Aさん:交通事故の死者数が他よりも早く,平成2年(1990年)以降減少傾向になっているのは,交通安全に関する国民の意識の変化が関係しているのではないかと思います。その裏付けとなる資料として,「交通違反で検挙された人数の推移が分かる資料」があると思います。その資料を見れば,飲酒運転やスピード違反など,死亡事故につながるような重大な違反の割合が少なくなっていることが分かるはずです。

Bさん:私は,この30年間で販売されてきた自動車の台数と安全性に関係があると思います。つまり,自動車の台数は年々増加し続けているので事故件数と負傷者数はなかなか減らなかったけれども,
(             ア             )ということです。
例えば,最近30年間における,「車の総販売台数の推移が分かる資料」と,「車の安全に関する装置の装備率の推移が分かる資料」があれば,このことを裏付けることができると思います。

Cさん:私は,交通事故の死者数が平成2年(1990年)以降減少傾向になっているのには、医療の進歩がかかわっていると思います。交通事故にあって救急車で運ばれ一命を取り留めた人が,搬送先の病院で,「以前であれば助からなかった」と医師に言われたという話を聞いたことがありました。どういうことかというと,昔は事故にあって助からなかった命が助かるようになってきたので,事故の数は増えても亡くなる人は減り続けてきたのではないかと思います。その裏付けとなる資料として,例えば,交通事故における救急車の出動回数の推移と救命率の推移が分かる資料が考えられます。その資料を見れば,(             イ                           )のではないでしょうか。

Dさん: 私は,みなさんの意見を聞いて,次のように話し合いの内容を整理してみました。
Aさん,Bさん,Cさんは,3人とも,3つのグラフを比べて1つのグラフだけが異なる傾向を示している現象に着目し,その要因について仮説を立て,その根拠として考えられる資料を挙げて,その資料から推測される内容を述べられました。これから,皆さんの仮説を検証するための検討や資料収集をしていきましょう。(以下,省略)

問1 Bさんは,下線部(a)「つまり」以下で,どのような内容を述べることになるか。
空欄( ア )に当てはまる適切な内容を字以内で書きなさい(句読点を含む。)。
問2 空欄( イ )でCさんはどのように発言したでしょうか。あなたが考える内容を,80字以上,100字以内で書きなさい(句読点を含む。)。

<解答例>
問1 ア自動車の安全性が向上してきたので,死者数は減ってきた(26字)
問2 イ救急車の出動回数については交通事故の発生件数や負傷者数とほぼ同様に上昇傾向で推移しているのに対し,救命率については死者数の推移とは逆に上昇傾向で推移していることが分かる(84字)