高校卒業後の進学が当たり前となった現在、54%が大学もしくは短期大学へ進学し、16%が専門学校に進学しています。実に7割以上が進学しています。
この進学率の上昇には、女子の4年制大学志向が大きく影響しており、現在の学生数の4割近くは女子が占めるようになってきています。
- 大学 49.4%
- 短期大学 4.8%
- 専門職大学 16.2%
※文部科学省 平成29年度「学校基本調査」
高等学校卒業者総数/1,069,568人(男子537,285人・女子532,283人)
Contents
大学、短大、専門学校…主な進学ルールは3つ
まずは、大学・短大・専門学校、それぞれの特徴をみてみよう。
大学とは
文学や経済学、社会学、理工学など、興味のある学問分野を幅広く学び、特に関心のあるテーマについて専門的に研究します。
修業年限は4年で、一般的な学び方としては、まず1〜2年次に教養教育科目と専門科目の基礎を学び、3〜4年次に専門科目を深く学びます。
だいたい広いキャンパスを持っていて、その後の人生の糧となるキャンパスライフを味わうことができます。
なお医学部、歯学部、獣医学部、薬学部(薬剤師養成課程)の修業年限は6年です。
<大学の数 780校>
- 国立大学 86校
- 公立大学 90校
- 私立大学 607校
短期大学とは
大学とよく似ていますが、修業年限が2年間もしくは3年間です。
そのため知識と技術を身につけ、早く社会で活躍したい人向きです。修業年限が大学の半分であるにもかかわらず、卒業までに学ぶ内容はかなり多いため、カリキュラムの密度は濃くなっています。
注意しなければならないことは、学力や経済的な理由で短期大学を選ばないこと。
将来の目的がはっきりした人向きの進路選択です。
<短大の数 337校>
- 公立大学 17校
- 私立大学 320校
専門学校とは
「専門課程」を設置する専修学校のことで、就職を前提とした実践的な教育を行います。
修業年限は1年~4年で、主流は2年間となっています。
短期大学との大きな違いは、幅広い素養を身につけるための一般教養科目がないことです。また、短期大学は理論と実践技能を合わせて学びが、専門学校は実践技能中心に学びます。
専門学校の数 2,822校
専門職大学とは
平成31年4月1日からは専門職大学という新しい区分が誕生します。専門学校と大学の良いところを取り入れた学校で、実践的な職業教育を行いながら、卒業時には、大学で与えられる学位と同等の「学士(専門職)」が与えられことになります。
修業年限は4年で、前期3年を修了した後、いったん社会に出て働き、後期1年を学ぶという新しい学び方ができる学校も誕生する予定です。
複雑化する入試制度
最近の入試制度は非常に複雑で、高校の先生でも分かりにくいものになっています。
そこで、現在の入試制度について整理してみましょう。
大学・短期大学の入試には、大きく分けて推薦入試、一般入試、センター試験利用入試、AO入試があります。
また、専門学校は推薦入試、一般入試、AO入試があります。面接だけのところ、面接と適性検査、面接と適性検査と実技など各学校によって選考方法はさまざまですが、医療系以外はそれほど難しく考えることはないでしょう。
おもな入試制度
推薦入試
おもに11月~12月に実施されます。公募制推薦入試は、学校側の条件を満たせば、どの高校からでも出願可能です。
指定校制推薦入試は、大学・短期大学が指定した高校で、学校長の推薦を受けた生徒だけを対象に行う専願制の入試です。
ほかに、自己推薦・スポーツ推薦・特技入試などがあります。
一般入試
代表的なものは、同一学部・学科で複数の入試方法を設定するものがあります。
たとえば「3科目型」「2科目型」「センター試験利用」といったパターンが代表的です。
この入試の最大の特徴は、受験生が自分の得意な方式を選べること。
方式ごとに日程が異なっているため、各方式に出願できる場合は、受験機会が増えることになります。
センター試験利用入試
国公立大学の場合、ほとんどの一般入試は「センター試験」と「個別(2次)試験」の総合得点で合否判定されます。
私立大学の約9割がセンター試験を活用した入試を行っています。
しかし、私立大学のセンター試験利用入試は募集人員が少なく、合格ラインが高い傾向にあります。
なお、センター試験は2019年度で廃止され、2020年度からは大学入学共通テストが導入される予定です。
センター試験は2019年度(2020年1月)の実施を最後に廃止され、2020年度からは「大学入学共通テスト」が行われる予定です。これまでのセンター試験と同様に1月中旬の2日間で実施されます。新テストでは、これまでのセンター試験になかった記述式問題の導入と、民間の資格・検定試験を活用した英語の4技能(読む・聞く・話す・書く)評価の導入が検討されています。
AO(アドミッションオフィス)入試
各学校が教育理念や求める学生像を掲げた「アドミッション・ポリシー」を提示し、受験生はその内容を理解したうえで選考プロセスに参加します。
受験時の学力よりも将来性を重視し、受験生の能力・適性などを総合的に評価することを目的とした入試です。