奨学金は借金です。学校選びは慎重に!

8月23日、宮城県石巻市で「みちのくフラワープロジェクト」が開催された。東日本大震災で親を亡くし、一度は進学の夢を断たれかけた遺児20人が、公益財団法人「みちのく未来基金」の存在をもっと知ってほしいと企画した。2011年秋、食品や製薬会社4社によって設立された同基金は、岩手・宮城・福島の震災遺児のうち、大学などに進学した約300人に入学金や授業料など、年間300万円を上限に給付するというもので、返済義務はない。

カタログだけで高級車を買いますか

現在、国の奨学金である日本学生支援機構奨学金は、すべて貸与型である。所得や成績などの審査基準が厳しい無利子の「第一種」と、審査のゆるやかな有利子の「第二種」があるが、いずれも卒業後に返還義務がある。たとえば、大学4年間で第一種奨学金を約260万円(私立大学自宅生:月5万4,000円×48回)借りた場合、月々1万4,400円を15年かけて返すことになる。また、第二種奨学金で月々8万円を4年間借りた場合、月々2万1,531円を20年かけて返済する。収入が少なかろうが、結婚して子どもができようが、何十年にもわたって返済していかなければならないのだ。
進学は決して安い買い物ではない。自分の将来を左右するかも知れない大切な買い物。安くて400万円、医学部や歯学部は別として理系ともなると600万円はする高額品なのである。カタログを見ただけで高級車を買ってしまう人は、よほどお金に余裕がある人だろう。ホームページや学校案内などでセレクトし、オープンキャンパスや学校案内などでじっくり自分の目で確かめて進学してほしい。

利用できる者はトコトン利用しよう

現在、大学生の半数が奨学金を利用している。「みちのく未来基金」の例に見られるように、奨学金は進学したくてもできない事情のある子どもたちに大きな夢を与えてきた。その一方で、返済金を滞納する人も増えている。2012年度の滞納者は33万人、金額にして計925億円。制度の根底を揺るがしかねない滞納額である。このような状況を受けて、7月28日、文部科学省有識者会議は、国としては導入していない返済不要の「給付型奨学金」について、「将来的には創設に向けて検討も進めていくべき」との提言をまとめた。しかし財源の確保の目処は立っていない。また、より返済しやすいように、「所得連動返済型制度」の導入も検討された。こちらの方は2018年度からの導入を目指しているが、いずれにしも返済義務がある。
「奨学金は借金!」であるということを強く肝に銘じておいてほしい。そこまでして行く大学だから、授業や施設、サポート体制など、あらゆるものを使い倒しましょうね。