リクリート進学総研調査による「高校生が志願したい関西の女子大学」(2017年度)では、武庫川女子大学にトップの座を譲ったものの、依然として幅広い年代から強い支持を受けている同志社女子大学。「女子大の研究」第2弾は、そんな同女(どうじょ)の魅力に迫ってみます。
学生数は全国女子大3番目
同志社女子大学のキャンパスは、京都市上京区の今出川キャンパスと、京都府京田辺市の京田辺キャンパスにあります。ともに同志社大学に隣接し、施設を共有するほか、授業やクラブ活動などでも盛んに交流が行われています。
同女最大の魅力は、この同志社大学の存在にあります。
今出川キャンパスには表象文化学部と生活科学部の学生が学び、
本部のある京田辺キャンパスには学芸学部、現代社会学部、薬学部、看護学部の学生が学んでいます。
学生数は両キャンパス合わせて、6,448人(2017年度)。これは全国の女子大の中で、武庫川女子大学(兵庫)、大妻女子大学(東京)に次ぎ3番目に多い学生数となっています。
同志社大学の女子部
新島襄が同志社大学の前身、同志社英学校を開設したのは1875年のこと。
翌1876年、新島襄の妻・八重が女子塾を始めました。これが同志社女子大学の前身です。
1877年、同志社分校女紅場として設置認可を受け、同志社女学校と改称。このときの校長は新島襄でした。
つまり同志社女子大学は、その成り立ちからも同志社大学女子部であることがおわかりいただけると思います。
そのため年配者は、同志社女子大学も同志社大学も同じ大学というイメージを持っている方が多くいます。
しかし当の同女生たちはこれがたいへんイヤなよう。
同志社大学といえば、関西ナンバー1の私立大学で、京都大学落ちの学生も多く、世間のイメージは「賢い」です。
同志社=同女のため、同志社女子大学も「賢い」と思われがちですが、全体から見れば難易度は真ん中くらい。関関同立を落ちて同女に入学した学生はコンプレックスを感じていますし、ギリギリ手の届いた学生は世間からの高評価にプレッシャーを感じています。
中には、同志社大学とはっきり区別するために、出身大学を聞かれたら「同志社女子大学です!」と、女子大学を大きく言う学生もいるほどです。
下記は「おしゃれ」なイメージがある大学ランキングですが、同女は神戸女子大学、梅花女子大学に次いで、女子大学の3位にランキングされています。
関西の高校3年生に聞いた「おしゃれなイメージのある大学」
※進学ブランド力調査2017(リクルート進学総研)
すべての項目で高い評価のオルマイティーな女子大学
「大学ランキング2019」(朝日新聞出版)調査による全国女子大ランキングでは、同女はほとんどの項目で上位にランキングされています。
高校からの評価も高く、全国3位、関西に限れば1位となっています。
全国女子大ランキング(「大学ランキング2019)朝日新聞出版」)
- 一般入試志願者数 9,700人(4位)
- 学生数 6,448人(3位)
- 高校からの評価 7.89ポイント(3位)
- 留学生派遣 63人(3位)
- 外国人教員 9人(9位)
- 科研費教員1人あたり 449,241円(7位)
入試難易度はいずれの学科も50くらいだが、英語力は必須
では、同女に入学するにはどのくらいの学力が必要なのでしょう。
河合塾による入試難易度(偏差値)は下記の通りとなっています。
学科別入試難易度 ※( )内はライバル校の入試難易度
- 学芸学部
音楽学科
演奏専攻 40.0(神戸女学院大学 器楽学科35.0)
音楽文化専攻 45.0〜47.5(武庫川女子大学 応用音楽科37.5〜40.0)
メディア創造学科 50.0(武庫川女子大学 情報メディア学科45.0〜47.5)
※2018年4月より情報メディア学科より学科名称変更
国際教養学科 47.5(武庫川女子大学 英語文化学科45.0〜47.5) - 現代社会学部
社会システム学科 47.5〜50.0(京都女子大学 現代社会学科45.0〜52.5
現代こども学科 50.0〜52.5(京都女子大学 児童学科47.5〜55.0) - 薬学部
医療薬学科(6年制) 50.0(武庫川女子大学 薬学科47.5) - 看護学部
看護学科 55.0〜57.5(武庫川女子大学 看護学科50.0) - 表象文化学部
英語英文学科 50.0(京都女子大学 英文学科47.5)
日本語日本文学科 50.0(京都女子大学 国文学科47.5〜50.0) - 生活科学部
人間生活学科 52.5〜55.0(京都女子大学 生活造形学科52.5〜55.0)
食物栄養科学科(京都女子大学 食物栄養学科52.5〜57.5)
食物科学専攻 52.5
管理栄養士専攻 55.0
同女入試の特徴は、複雑多様化する大学が増えるなか、「分かりやすい」こと。
「一般入試前期日程」は3教科入試と2教科入試があり、それぞれ2日間ずつ、試験日自由選択制で行われます。(ただし、医療薬学科と食物栄養学科は3教科入試のみ)
後期日程は全学部2教科入試で、午前と午後の試験時間自由選択制で実施。
センター試験利用入試は、音楽学科を除くすべての学部・学科で実施。自己採点後の出願も可能。前期が3教科型と5教科型(薬学部、看護学部は3教科型のみ)、後期が3教科型(薬学部、看護学部は実施せず)で募集し、センター試験の得点だけで判定を行います。
入試対策のポイントは、英語。英語が苦手な方はかなり苦戦を強いられます。
編集部オススメの学科|資格系と国際系がブランド力もあって強い
景気がよくなると、経済・商学系や国際・外国語系学部の人気が高くなり、逆に資格系学部の人気は下がります。就職を見越して資格系学部に進学していた受験生が減るためです。
しかし、同女の資格系は景気の動向に左右されることなく安定した人気を誇っています。
中でも2015年4月に開設した看護学科は、まだ卒業生がいないにもかかわらず医療関係者が期待を寄せる学科です。開設以来、80名の入学定員に対し述べ1,800名もの志願者がある人気学科となっています。
この理由は、同女の「充実した国家試験対策と実績」「専門分野で活躍する卒業生」にあります。
また、食のプロである管理栄養士を養成する食物栄養学科もオススメです。管理栄養士国家試験に関しては2013年度より3年連続卒業生全員が受験し、全員が合格。ガイドライン改訂により難易度が高くなった2016年度においても、全国の管理栄養士養成課程新卒者の合格率が約10ポイントも低下する中で97.9%、2017年度96.7%と高い合格率を維持しています。
同女の魅力はなんといってもきめ細かなサポート体制。
国際教養学科は1学年80名に対して、ゼミが10もあり、少人数の授業が魅力です。
全員が英語圏の大学へ1年間留学。留学先は5カ国27大学から選ぶことができますが、原則1大学5名以内なので、外国人に混じりながら徹底的に語学力を磨くことができます。
その結果、留学後のTOEIC®は学科平均793.86点を記録。留学前後で平均160点もアップしています。本気で英語を学びたいならオススメの学科です。
同志社女子大学のおすすめの学科
- 看護学科
- 食物管理栄養学科
- 国際教養学科
京都府京田辺市興戸(京田辺キャンパス)
TEL.0774-65-8811 (広報部入試課)