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日大アメフト部に思う「建学の精神」の大切さ

5月22日に行われた日本大学アメリカンフットボール部宮川選手の記者会見を見られた方は多いと思います。
ほとんどの人は、悪質タックルをした宮川選手にではなく、監督やコーチ、そして日本大学に対して怒りを覚えたのではないでしょうか。

筆者も当初はタックルをした選手の善悪の判断力のなさに情けなさを感じていましたが、宮川選手の会見を見て、「これはパワハラだ!」と痛感。若干20歳の青年の真摯な謝罪会見に心が痛くなりました。

まるでヤクザの世界を見ているようです。兄貴に拳銃を渡されて、無言の「やって来い」という圧力に屈した若者の姿を見ているかのようでした。

しかし、今回は大学スポーツの話です。

記者会見後の日大広報のコメント、別のコーチのコメントなどを聞いていると、「ここは教育機関なの?」と首を傾げてしまいました。

そもそも日本大学とはどんな大学なのでしょう。

ファーストクラッシュ

日大ってどんな大学?

関西学院大学生にとって、関学ファイターズ(←関学アメリカンフットボール部の愛称)は時計台、中央芝生と並んで、シンボル的な存在です。
甲子園ボウルに出場すると在校生はもちろん卒業生も一緒に応援するという、簡単に言えば愛校心の形みたいな存在です。

関学対日大は、東西対決の伝統の一戦で、筆者が学生の頃は篠竹監督率いる日大フェニックスはむちゃむちゃ強かった記憶があります。日大のショットガンフォーメンションにボコボコにされていました。

日本大学は2019年10月4日に創立130周年を迎える日本最大の私立大学です。
本部を東京都千代田区に置き、学部数はなんと16学部。
2017年5月現在、学生数は67,933人で日本最大なら、女子学生数も21,543人で日本一というとてつもない大きな大学です。

関西で一番大きな大学は、立命館大学の33,115人ですが、それの倍以上の学生数を誇っています。
しかも130年の伝統があるので、卒業生の数は約116万人と何から何までマンモスな大学なのです。



日大の建学の精神は?

私立大学にはそれぞれ建学の精神というものがあり、それに沿って教育を行っています。
たとえば、関西学院大学の建学の精神は、“Mastery for Service(奉仕のための練達)”です。
厳密には、建学の精神を簡潔に表現したスクールモットーなのですが、「社会貢献のためにこそ実力を身につけよ」という意味になります。

要するに、「世のため人のために役立つ人になりましょう」ということでしょうが、これは関学の在校生や教授、職員はもちろん、卒業生たちにも広く浸透しています。

一方、日本大学の理念は「自主創造」です。

意味的には「自ら主体的に物事を作り上げましょう」ということになるのでしょうか。

日本大学のホームページを見ると、日本大学の前身である日本法律学校の創立目的は
「日本の法律は新旧問わず学ぶ」
「海外の法律を参考として長所を取り入れる」
「日本法学という学問を提唱する」
という3点だったそうです。

その長い歴史の中で、幾度の改訂が行われ、現在の「自主創造」に落ち着きました。

日本大学の理念(目的および使命)

日本大学は 日本精神にもとづく
道徳をたっとび 憲章にしたがい
自主創造の気風をやしない
文化の進展をはかり
世界の平和と人類の福祉とに
寄与することを目的とする

日本大学は 広く知識を世界にもとめて
深遠な学術を研究し
心身ともに健全な文化人を
育成することを使命とする



建学の精神は大学選びの指針の一つ

今回のそれぞれの大学の対応を見て思ったのですが、関学には「他人に対する配慮」が感じられ、日大には「自己防衛」を感じました。

それぞれの建学の精神が大きく左右しているように思えてなりません。

・関学 Mastery for Service
・日大 自主創造

また、関学はキリスト教主義に基づく全人教育を標榜しています。

全人教育とは、専門知識はもちろんのこと、道徳、芸術、宗教、身体、生活のすべてにおいて一人の人間を育てる教育です。

理念でいくら美辞麗句を並べ立てても、実践していなければ大学の存在意義はありません。

これからオープンキャンパスが本格化します。

高校性の皆さんは、アトラクションや参加プレゼントなど、大学のパフォーマンスに惑わされることなく、その大学に流れる「建学の精神」をぜひ感じとってください。

「建学の精神」が感じられない大学は、進学候補からはずことが賢明です。

なぜなら、その大学への進学はあなたのためにならないからです。