深刻な「2018年問題」―大学は生き残れるか?―

  • 2014年10月8日
  • 2017年5月2日
  • 特集

1000人規模の大学、100校が潰れる可能性大!

大学関係者の間で「2018年問題」への懸念が広がっている。
近年横ばい状態にある18歳人口が、2018年から再び減少する「淘汰の時代」がやってくるというのだ。
18歳人口の減少自体は今に始まったことではない。大学入試の志願者数は18歳人口と進学率に左右される。
文部科学省の調べによると、18歳人口のピークは団塊ジュニアの多くが高校を卒業した1992年度の205万人。その後2014年度には118万人まで減っている。

しかしこの間、人口減少に逆行して私立大学の数は増え続けた。
これは進学率が増加したためである。かつて30%程度だった進学率が約50%まで伸びており、それが大学の経営を支えたと言える。

だが今後は、頼みの綱であった進学率も期待できない。
多少の増加は予想されるものの、大学進学率は55%程度でほぼ頭打ちと予測されているため、18歳人口の減少が大学進学者の減少にそのまま結びつくこととなる。
現在でも、短期大学や専門学校に進む学生を含めると進学率は既に8割に達しており、これ以上の増加を見込むのは難しい。

国の調査によると、18歳人口は2018年度から減少に転じ、31年度にはついに100万人を切ることが予測されている。
進学率が約5割のままだとすると、人口減少に伴い大学進学者数も著しく減ることが予想される。
例えば、18年度から31年度まで18歳人口が約20万人減るとして、進学率50%で計算すると10万人。これは1000人規模の大学が100校潰れることと同じことである。

かつて難関大学と呼ばれた大学も学力低下の恐れあり!

淘汰の波は既に押し寄せてきている。
2014年9月25日の毎日新聞の記事によると、現在、既に定員割れしている私立大学は265校で、全体の約半数に達する。
2010年度以降、経営悪化から学生募集を停止する私立大学も多くなっている。また、私立だけでなく地方の国公立大学も楽観視は出来ない。今やどの大学も生き残りをかけて必死になっている。
その反面、18歳人口の減少に伴い、有名大学への志望者が集中する傾向が強まる可能性がある。
人口減少のために、いわばライバルの絶対数が少なくなり、難関と呼ばれた大学のハードルが下がるためだ。即ちそれは知名度のない大学へ志願者がいなくなる可能性も示している。

今後、今以上に大学は、学生に人気のある看護学科などの学科を設けたり、特色を前面に押し出して学生集めに策を講じることになるだろう。
また、地方の大学の場合、地域の人口減少自体が打撃となるため、地域との連携も一層必要になると考えられる。
しかし一方で、大学の本来の役割を考えると、「淘汰の時代」は避けられないものであると考えることも出来る。

大学全入時代と言われ、大学生の学力低下が叫ばれる中、2018年問題は大学が本来持つ「高等」教育の場という役割について、改めて考えるきっかけになるかもしれない。

(文責:糸村真秀)


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