学費の工面で進学をあきらめるな!日本学生支援機構の奨学金に給付型が設けられます。

奨学金制度とは、一般的に成績や家庭の基準によって、月々一定額を貸与または給付できる制度です。自治体や民間企業、各種団体、学校独自のものなど、さまざまな奨学金制度がありますが、日本学生支援機構の奨学金は、奨学金受給者の約75%が利用している国の奨学金制度です。

日本学生支援機構奨学金制度とは

1943(昭和18)年から、1000万人近くが利用してきた日本を代表する奨学金です。現在、奨学金を受給している人の約75%、奨学金総額の約85%が日本学生支援機構の貸与型奨学金です。国内の大学、短期大学、高等専門学校、専修学校(専門課程)、大学院に進学する人のほか、海外留学を希望する人も受けることが可能です。

貸与型奨学金には、無利子の第一種奨学金と有利子の第二種奨学金の2種類がありますが、平成29年3月27日に成立した予算案により給付型奨学金(国公私別・通学形態により、月額2〜4万円給付)も設けられることになりました。平成29年度より先行実施されるほか、低所得者世帯は第一種奨学金の成績基準が実質撤廃されることになります。

そこで今回は、新しく創設される日本学生支援機構の制度について見ていくことにしましょう。

低所得者世帯対象に、給付型奨学金の制度が創設されます

給付型奨学金が利用できるのは、非課税世帯です。非課税世帯とは、住民税(市町村民税+都道府県民税)が課税されない世帯のことです。前年中の合計所得金額が、扶養親族がいない人の場合で35万円以下(年収100万円以下)、扶養親族がいる人の場合だと、35万円×(控除対象配偶者+扶養親族数+1)+21万円以下(標準世帯の年収256万円以下)の人となります。給付額は国公立大学の場合、自宅生で月額2万円、自宅外生で3万円となっています。また、私立大学の場合は、自宅生3万円、自宅外生4万円です。また、児童養護施設退所者には他に24万円の入学一時金が給付されます。

■対象:非課税世帯で、一定の学力・資質要件を満たす学生
■在籍する高校長による推薦
■給付額:
月額2万円(国立・自宅)
月額3万円(国立・自宅外/私立・自宅)
月額4万円(私立・自宅外)
・児童養護施設退所者等には別途24万円の入学一時金
■給付規模:進学者2万人

低所得者世帯対象に、無利子奨学金の成績基準が撤廃されます(平成29年入学者〜)

低所得世帯の学生については、これまで評定平均値3.5以上を要件としていた無利子奨学金の成績基準が実質的に撤廃されます。奨学金を必要とするすべての学生が受給可能になります。

貸与基準を満たせば、必ず無利子奨学金を借りることができます

従来は、評定平均値3.5以上という貸与基準を満たしていても、無利子奨学金を借りられない場合がありましたが、全ての希望者が借りられるようになります。

無利子奨学金には所得連動返還型制度が導入されます(平成29年入学者〜)
無利子奨学金の貸与者は、返還月額が卒業後の所得に連動する「所得連動返還型奨学金制度」を選択することができます。卒業後の返還月額は、例えば月額5万4千円(私立・自宅生)を借りた場合、従来の14,400円が最低2,000円からになります。また、機関保証料率(現行0.693%)の引き下げも検討されています。

低所得者向け減額返還制度が拡充されます

返還が困難な方は、最長10年間、返還月額を1/2に減額。さらに減額幅を大きくする制度改正も検討中です。

有利子奨学金を借りる方には、貸与利率の下限が引き下げられます

従来は下限0.1%でしたが、これからは0.01%になり、ほとんど無利子に近い利率になります。ただし、あくまでも貸与型の奨学金は借金です。必ず返さなければなりません。多額のお金を借りていく大学だからこそ、悔いの残らない学校・学部選びを心がけましょう。