関西大学は、志望したい大学として関西エリア12年連続1位となっています。難易度・エリアと共に、手が届きそうな有力大学として人気は高いです。有名人も多く輩出している関西大学について詳しく見ていきましょう。
ネームバリューのある関関同立の一角「関西大学」
関西大学は1886年に関西初の法律学校として創立以来、130余年の歴史と伝統がある大学です。関関同立の一角であり、関西エリアでは誰もが知っている知名度・人気ともに高い大学です。関関同立のなかでは、唯一本部が大阪にある大学です(立命館大学は大阪の茨木にもキャンパスがあります)。
近年、産近甲龍の一角である近畿大学の人気が高まっており、関西大学に迫っていると言われています。実際どうなのか、直近の偏差値で確認してみましょう。旺文社のパスナビ(偏差値データは河合塾)によると、関西大学の偏差値は以下のようになっています。
- 法学部 57.5〜62.5
- 経済学部 57.5〜60.0
- 社会学部 52.5〜62.5
- 外国語学部 60.0〜70.0
- 総合情報学部 57.5〜62.5
- システム理工学部 50.0〜60.0
- 化学生命工学部 50.0〜62.5
- 文学部 57.5〜65.0
- 商学部 57.5〜60.0
- 政策創造学部 55.0〜62.5
- 人間健康学部 55.0〜57.5
- 社会安全学部 55.0〜60.0
- 環境都市工学部 50.0〜60.0
(河合塾データ)
近畿大学と関西大学で共通する学部の、経済学部と法学部の偏差値を見てみましょう。
- 法学部 57.5〜67.5
- 経済学部 52.5〜67.5
(河合塾データ)
パッと見は近畿大学のほうが高いように見えますが、センター利用入試など、一部の入試方式で高い偏差値が出ているからです。
3教科の一般入試の偏差値で比較すると、以下のようになります。
- 関西大学法学部 学部個別3教科 57.5
- 関西大学経済学部 学部個別3教科 57.5
- 近畿大学法学部 前期A日程 57.5
- 近畿大学経済学部経済学科 前期A日程 57.5
- 近畿大学経済学部国際経済学科 前期A日程 57.5
- 近畿大学経済学部総合経済政策学科 前期A日程 52.5
ほとんど同じ偏差値になっているのが分かります。近畿大学の人気上昇により入試の難易度も高まっていることが分かります。しかし、入試難易度と大学の価値はイコールではありません。就職におけるブランドは今だ差が大きいですし、世間一般の評判でも関西大学のほうが高いです。入試の難易度では近づいていますが、関西大学と近畿大学の差はまだ大きいです。
高校生の「志願したい大学」関西で12年連続1位
リクルート進学総研が行っている「進学ブランド力調査2019」で関西大学は関西エリアで12年連続1位となりました。この調査は高校3年生に「志願したい」大学を4校まで記載してもらった調査となります。位「関西大学」、2位「近畿大学」、3位「大阪市立大学」、4位「同志社大学」5位「立命館大学」となっています。4校を記載する調査なので、エリア、難易度、知名度などから、関西大学が選択肢として入りやすいことが伺えます。男女別では、男子は3年ぶりに「関西大学」が1位、女子は12年連続で「関西大学」が1位でした。女子学生から広い支持を集めています。
女子比率は4割と高め
女子の志願したい大学1位であるだけあって、女子学生の比率は高めです。理系でもシステム理工学部以外は女子比率もそこそこ高いです。
男 | 女 | 合計 | 女性比率 | |
法学部 | 392 | 299 | 691 | 43.3% |
文学部 | 288 | 475 | 763 | 62.3% |
経済学部 | 548 | 226 | 774 | 29.2% |
商学部 | 381 | 344 | 725 | 47.4% |
社会学部 | 322 | 492 | 814 | 60.4% |
政策創造学部 | 206 | 185 | 391 | 47.3% |
外国語学部 | 46 | 118 | 164 | 72.0% |
人間健康学部 | 200 | 167 | 367 | 45.5% |
総合情報学部 | 320 | 181 | 501 | 36.1% |
社会安全学部 | 175 | 107 | 282 | 37.9% |
システム理工学部 | 542 | 33 | 575 | 5.7% |
環境都市工学部 | 267 | 70 | 337 | 20.8% |
化学生命工学部 | 232 | 124 | 356 | 34.8% |
合計 | 3,919 | 2,821 | 6,740 | 41.9% |
本部キャンパス(千里山)と、それ以外(高槻、高槻ミューズ、堺)
メインキャンパスの千里山キャンパスは、阪急沿いなので京都や神戸からのアクセスも悪くありません。緑豊かなキャンパスで大学らしい雰囲気は、オープンキャンパスで魅力に感じる高校生と保護者も多いです。
関西大学は、千里山キャンパス以外に、3つのキャンパスがありますが、1キャンパス1学部となっています。高槻キャンパス(総合情報学部)、堺キャンパス(人間健康学部)、高槻ミューズキャンパス(社会安全学部)の3つで、1年生の時は千里山キャンパスということもなく、1年から4年までそれぞれのキャンパスで過ごします。
本部キャンパスとそれ以外では環境は異なります。規模が小さい分、仲良くなれるところもありますし、キャンパスが混まずに過ごせたり、サークルの種類が少なかったりします。それぞれの良い点もあるし、そうでもない点もありますので、事前にしっかり把握したいところです。
有名人を多く輩出するブランド力は就職にも役立つ
関西大学と近畿大学の実力差が大きいのは、就職におけるブランド力です。就職率だけでは、実力が分かりにくいので、主要400社の就職率で比較してみます。(『週刊東洋経済臨時増刊 本当に強い大学2019』(東洋経済新報社))
近畿大学9.6%に対し、関西大学19.6%と差が見られます。しかし、関関同立で比較すると、最も低いことも分かります。主要400社の就職率、同志社31.6%、関西学院大学26.2%、立命館23.9%。
総合大学で規模が大きいので、卒業生が各方面で活躍していることが強みです。アナウンサー、お笑い芸人、落語家、プロスポーツ選手など有名人も多く輩出しています。関西大学出身の社長も多くいます。長きにわたり、マスコミへの露出度が高い人物を輩出していることも、関西大学のブランドの一つです。
落語家の桂三枝、アナウンサーの宮根誠司、フィギュアスケート選手の高橋大輔、宮原 知子、お笑い芸人の山里亮太、岩尾望、ゆりやんレトリィバァ、ジャルジャル、吉本興行会長の大崎洋など、世代もジャンルも幅広いことが分かります。
就職活動においても、関西における知名度・人気は抜群です。首都圏での知名度は同志社や立命館に劣る部分もありますが、関関同立のくくりがありますので大学名で不利になることはないでしょう。また、各方面にOBOG訪問が出来るのはブランド大ならではの強みです。