進学校の武蔵高校に比べて、全国的知名度は今一歩の武蔵大学。
時には武蔵高校付属大学と揶揄されることもあるくらいですが、実は学習院、成城、成蹊と並ぶ名門大学です。
今回は、東京四大学の一角、武蔵大学を紹介します。
MARCHと日東駒専の間に位置づく規模小さめ大学
学習院、成城、成蹊と同じ旧制高等学校のグループで、東京四大学と呼ばれることもあります。
この4大学は今でも関係性が深く、四大学運動競技大会などの学生同士の交流や、教職員の交流もあります。
高校生向けの四大学合同の進学相談会なども行われています。
受験偏差値で言うと、成成明学獨國武(成城、成蹊、明治学院、獨協、國學院、武蔵)と呼ばれるグループに属しており、難易度的にはMARCHと日東駒専の間に位置付きます。
武蔵大学を選ぶ人は、「MARCHには届かなかった」けど、「日東駒専には行きたくない」「アットホームな大学が良い」「ゼミを魅力に感じて」という方が多いです。
武蔵大学は、経済学部、人文学部、社会学部の文系3学部のみです。
新入生の総数は約1000人で、規模としては中~小規模と言えます。
ちなみに、規模が大きい明治大学や東洋大学では新入生は7000人超えで、武蔵大学に近い規模では成城大学で1300名、成蹊大学で1800名です。
女子学生の比率は2018年度入学生で経済学部34.1%、人文学部60.5%、社会学部54.9%、新入生全体では48.4%と男女比は半々です。
創立時からの少人数教育「ゼミの武蔵」
近年の大学教育では、ゼミの良さが見直されて、ゼミをアピールする大学が増えていますが、武蔵大学は創立時から伝統的にゼミを重視してきました。
一般的な文系学部では、本格的なゼミは3年生からで、1年生はゼミという名前で基礎的なスタディスキルを学ぶことが多いです。
武蔵大学は「1~4年次でゼミが全員必修」です。2年生でゼミが必修という大学は珍しいです。
武蔵大学のHPにもゼミについて詳しく記載されていますので、「高校にはない大学での学びの形態」であるゼミに興味がある人は一度見ておくとよいでしょう。
同じ法人の武蔵学園には武蔵高等学校中学校も属しており、武蔵高校は毎年東大や医学部に多くの生徒を合格させている全国的に有名な進学校です。
そのため、知名度で高校に負けている武蔵大学は「武蔵高校付属大学」と揶揄されることもあります。
緑豊かなこじんまりキャンパス
キャンパスは練馬区にある江古田キャンパスひとつで、同じ敷地に武蔵中高もあります。
緑豊かなキャンパスは大きくありませんが、逆に移動がしやすいサイズです。
最寄り駅は西武池袋線「江古田駅」から徒歩6分、「桜台駅」から徒歩8分、大江戸線「新江古田駅」から徒歩7分、有楽町線「新桜台駅」から徒歩5分と駅からのアクセスは非常に良いです。
埼玉側から来ると池袋の少し手前というエリアになり、実際埼玉から通う学生が多いです。
穏やかで静かなエリアで、街があまりゴチャゴチャしていないので、地方から来る学生にとっても過ごしやすいです。
サークルや部活数はそれなりに充実していると言えます。少人数でアットホームな大学なので、サークルや部活に入らなくても、ゼミなどで友人関係を構築することもできます。
小さなコミュニティが窮屈に感じ、自由奔放にしたいという方は大規模大学のほうがよいかもしれません。
ゼミが就職活動で強みになる
大規模大学は卒業生が多く、各方面に先輩がいてOBOG訪問や情報収集ができるということになりますが、武蔵大学にはそれはあまり期待できません。
しかし、だから就職活に困るということではありませんので、その点はご安心ください。
武蔵大学は一般的な知名度はあまり高くありませんが、企業はこの大学の立ち位置を理解しています。
大学の就職実績を見ればわかりますが、一流企業にも一定数就職しています。
近年では就職活動の際に、大学での学びについても重視されてきている傾向があります。
「大学で何を学んだのか」と面接時に聞かれたときに、武蔵大学のゼミで一生懸命頑張った学生は面接官に語る学びの場面がたくさんあることでしょう。
大規模大学でゼミや卒論を避けて卒業している人と比べた時の説得力は桁違いです。
もちろん本人の努力が前提ですが、ゼミがアピールになる、というのは就職活動時に一つ安心材料になります。