進学の常識

子どもの先生をめざすなら、幼稚園教諭と保育士の両方が必要です!

子どもが好きだから、「幼稚園の先生になりたい」という方は多いと思います。
けれども、幼稚園の先生になるためには、どうすればいいか知っていますか?

最近、立て続けに、進路選択で大きな間違いをしている高校生と会う機会がありましたので、ここで改めて「幼稚園の先生」について解説しておきましょう。

幼稚園の先生か、行きたい大学か、まずは優先順位を決めよう

一人は高3女子です。
「将来、幼稚園の先生になりたいのですが、関学か関大で迷っています」という内容でした。
これはもう完璧なる進路選択ミスです。
関関同立で幼稚園教諭免許状が取得できるのは、関学大だけ
関大ではもちろん取得できません。子どもについて学べるところは、文学部の中にありますが、幼稚園教諭養成課程でないため、免許状は取得できません。

もう一人も高3の女子です。
こちらも幼稚園教諭が希望とのことですが、「武庫川女子と神戸女学院ではどっちがいいですか」というもの。先の女子高生とまったく同じミスをしています。
武庫川女子大では幼稚園教諭免許状を取得できますが、神戸女学院大では取得できません。

聞けば、二人ともなにがなんでも「幼稚園の先生」ということではないようです。
自分の周りに合わせて、まず大学を選び、学部選びをする上で「子ども」関連としたのでしょう。
彼女たちの頭の中では、「子ども」=「幼稚園の先生」という固定観念がありますから、矛盾した大学選びになったようです。

憧れの大学から選択するのも、憧れの職業、学びたい分野から選択するのも、いずれも「あり」ですが、せっかく入学したのに資格が取得できなかったという例も多々あります。
志望校選びは念入りに行いましょう。

「幼稚園の先生」と「保育園の先生」の違いは?

幼児に関わる代表的な仕事は、「幼稚園の先生」と「保育園の先生」です。
この二つの先生の違い、分かりますか?

幼稚園の先生は、文字通り先生で、小学校の先生や中学校の先生と同様、教員免許状が必要です。
小学校に上がる前の準備段階として子どもに教育を行います。
対象は満3歳から小学校就学前になります。
また幼稚園は学校ですから、管轄は文部科学省になります。

一方、保育園の先生になるためには、保育士資格が必要です。免許状ではなく資格です。
保育士の主な働き場所である保育園は、学校ではありません。福祉施設になります。
働いているお母さんや病気などで子どもの面倒がみられない保護者の代わりに、子どものお世話を行います。
そのため対象年齢は0歳から就学前で、管轄は厚生労働省になります。

幼稚園と保育園が合体し出した

本来、幼稚園の先生と保育園の先生はまったく別のものだったのですが、最近は大きく様子が変わってきました。

というのも、幼稚園と保育園が一緒になり始めたのです。これを幼保一元化(または幼保一体化)といいます。

2006年に「認定こども園」制度がスタートしました。「認定こども園」というのは幼稚園と保育園の両方の機能を持った施設で、保護者が働いていなくても子どもを預けることができます。
子育て支援が本格化したことにより作られた施設ですが、年々その数は増え続け、2018年4月1日現在で6,160園となっています。

認定こども園には、幼稚園型、保育所型、地方裁量型などのタイプがありますが、最も多いのは幼保連携型で、その数は4,409園。
少子化の影響、認定こども園へのシフトにより幼稚園が減少している一方、認定こども園は今後もますます増え続けるであろうと予想されます。

これからは幼稚園教諭免許状と保育士資格が必要になる

問題は、幼保連携認定こども園で働くためには、幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方を持った「保育教諭」である必要があります。
2019年度まではどちらかの免許・資格があれば保育教諭として働くことができますが、それ以降は両方の免許・資格が必ず必要になります。

そのため、これからは幼稚園教諭免許状だけでは働く場所が極端に少なくなってしまいます。
すでにどちらかの免許・資格を持っている人に対しては保育教諭資格を取得する道は開かれていますが、これから大学選びをしようという人は、「幼稚園教諭免許状」と「保育士資格」の両方が取得できる大学を選びましょう。

現在、幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方を取得できる大学は増えてきていますが、中にはいずれか一方しか取得できない大学もあるので、取得できる免許・資格は念入りに行いましょう。

特に大阪教育大学など、国立の教育養成系大学は注意が必要です。
現在のところ保育士資格が取得できないため、保育教諭にはなれません。